アイスクリームの根源的な魔力発揮で1兆円産業へ!

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  アイスクリーム流通新聞は2001年4月、21世紀の夜明けとともに創刊しました。 いわば21世紀の業界とともに歩んでいます。景気といい、人気といい、人の気持ちの持ちようで上がったり下がったり大きく変化します。 アイスクリーム業界では、「天気」「景気」「人気」の順番にその影響力の強さが出るという定説ですが、お天気ばっかりは人の気持ちでどうにもなりません。 呪術の天候回復の祈祷という手も神代の昔から伝わっていますが、効果のほどは確かめられておりません。 夏の天気が分かれば大儲けが出来ると言われた時代からは遠ざかり、今では売れる商品が分かれば大儲けが出来る時代になっています。
  誰に、何を、何処で提供すればいいのかを見極めれば話が簡単に進むのですが、その判断はそれこそ各社各様で、答えは一つじゃありません。 「直観は過たない、誤るのは判断だ」と喝破した18世紀の哲学者もおりますが、おうおうにして直観もあてにならないことは、恋愛が時に悲哀に終わることでも分かるとおりです。
  確実なことは、モノが持つ本来性、基質、根源的な魔力を引出すことが出来るか否かです。 それは、生きとし生けるものだけでなくこの世に存在するものすべてに当てはまります。 いわゆるモノにだって生命力はあることを疑ってはいけません。モノ作りはこの地点から始まるのです。
アイスクリームも同じです。 冷たい美味しさとともに、食べる時に口の中で溶けて消える瞬間の幸福感は他に類がありません。 それはアイスクリームだけが持つ魔力なのです。一般的に言われている魅力と勘違いする向きもありますが、魅力というものは慣れっこになって手あかが付けば薄れていきます。
もう一つの大きな問題が残っています。そうです、誰のためにという緊急課題です。 アイスクリームの現在に限りましょう。老若男女全てのためというモノがこの世に存在すればいいのでしょうが、そんな便利なものはありません。
  日本の人口構造は、団塊の世代を中心としてピラミッドのカタチが動いています。5年刻みでカウントした場合に世代人口が1000万人を超えるのは昭和22年から26年までに生まれた団塊世代だけです。 今年、68歳から64歳になる老齢者です。次に人口の多い世代は43歳から39歳の範囲で、俗に団塊ジュニアと言われているグループで、これは年齢的に見て団塊世代の子どもたちに当たる年齢層になるからです。 この2つの世代こそがマジョリティの人口層です。団塊世代は、戦後まもなくの自転車によるチリンチリンのアイスキャンデーを、冷たい甘さに飢えて、先を争って食べた人々であり、戦後日本のアイス市場の開拓者。団塊ジュニアは、当たりくじ付き、キャラクターアイスバーで世相を一変させて、アイス業界の自主規制まで作らせてしまった新世代。
ここまでくれば結論は自ずと導き出されます。この2つの層の人々を中核として、自らが楽しむためのアイスクリーム。自分を幸福にしてくれるアイスクリーム。冷たい美味しさという表面的な満足は当たり前、これに加えて心の満足の提供が必要です。そしてそれは、アイスクリームの持つ根源的な魔力からしか産みだせないのです。
  こうして、5年後の2020年東京オリンピックの年。団塊世代で1000億円の新需要、団塊ジュニアで更に1000億円の需要を積み重ねれば、メーカー出荷ベースで6000億円を超え、小売金額は1兆円産業の仲間入りとなるのです。
2011年の東日本大震災大津波原発大事故以来、大変化が続き、2014年は消費税増税の年になりました。どういう世情になったとしても、求められるのは強さ、そして優しさ。強くて優しいアイスクリームが業界の救世主となるでしょう。
  引き続き皆さまのご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

株式会社アイスクリーム流通新聞社
代表取締役社長 松本元治